ゴールドマン・サックスに受かる人の脳と、受からない人の脳は何が違うのか

Emi Sakashita
α事務局

これは「地頭」の話ではない

ゴールドマン・サックスに入る人は、特別に頭がいいのか。結論から言います。
IQの問題ではないです。学歴だけの問題でもありません。
東大で難解な数学が解けるから、でもありません。

私はアルファ・アドバイザーズのCOOとして、6年間で累計8,000名以上の就活生・社会人を見てきました。
アルファ全体では18年間です。
東大の池谷研究室で海馬の研究をしていた人間として断言しますが、トップティアに受かる人と落ちる人の差は、脳の「使い方のクセ」の違いです。
今日は、うちの代表TJ(入住俊彦/住友商事→シカゴ大学MBA→ゴールドマン・サックスIBD)の特徴と、実際の就活生とのやりとりを題材に、この差を具体的に解剖します。

1. ミッションがあるかどうか:ここが一番深い

一番大事なことを最初に書きます。
ゴールドマンで生き残る人には、「なぜ自分はこの仕事をするのか」が腹の底にあります。
お金を稼ぎたい、ステータスがほしい。正直に言えばそれは誰にでもあります。でもそれだけで入った人は、高確率で折れます。GSの激務は尋常ではありません。深夜3時にピッチブックの修正が飛んできて、週末もクライアント対応。外からの報酬、つまり給料や肩書きだけを燃料にしている人は、その燃料がいつか足りなくなります。

脳の仕組みで言うと、外的報酬に対するドーパミンは同じ刺激では徐々に反応が弱くなる。年収1,500万に慣れたら、次は2,000万でないと同じ快感が得られない。どこまで行っても終わらないのです。
一方、「自分はこれを成し遂げたい」「この力で人の役に立ちたい」という内的な動機は、脳の報酬回路を持続的に動かし続けます。疲れていても「これは自分がやる意味がある」と思えるから、もう一踏ん張りできるわけです。

アルファ代表のTJを見ていてまさにそう思います。商社からMBAを経てゴールドマンに行き、今はアルファ・アドバイザーズで17年間キャリア支援をしている。
就活生に対して「こっからやり直しましょう」「うまくいくと思う、頑張ろう」と本気で言える。
人を動かすこと、人の可能性を開くことに本気でコミットしている。
これが彼の燃料であり、だからこそ17年間走り続けられています。
就活生に聞きたいのは、「あなたのミッションは何ですか?」ということ。
ゴールドマンに入りたいのは手段であって目的ではない。その奥に何があるか。これが言えない人は、仮に入れたとしても長くは持ちません。

2. 即断即決:迷わない脳の正体

TJと就活生のやりとりで一番目立つのは、判断の速さです。
就活生が「一年休学して28卒で国内本選考に応募するのは…」と言った瞬間、TJの返答は「それだったらアメリカの大学院行って、ボスキャリで勝負した方がいい」となります。
迷っていないのです。

これは前頭前皮質、つまり脳の前側にある判断と意思決定を司る領域の使い方の問題です。この領域は「選択肢を並べて、いらないものを切り捨てて、一つに絞る」という仕事をしています。GSに入るような人は、この切り捨てが異常に速い。
就活生はどうか。「うんうん」「そうですね」「なるほど」。聞いてはいる。でも自分の中で「じゃあこうする」が回っていない。情報を受け取っているだけで、判断していないのです。
これは頭が悪いのではなく、判断を保留するクセが染みついているということです。日本の教育は「先生が正解を教えてくれる」前提で12年間やりますから、自分で決める回路が育っていない。でもゴールドマンが欲しいのは、不完全な情報でも決断を下せる人です。

3. 構造で考える脳:「一言で言うと、なに?」と「それ、具体的には?」

TJがよく言う言葉が二つあります。
「一言で言うと、なに?」「それ、具体的には?」
この二つが、構造で考える脳の正体です。

一言で言える力

就活生が「一年休学して28卒で国内本選考に応募する形では、まあ難しいと思うんですけど…」とごちゃごちゃ言った瞬間、TJの返答は一言。「アメリカの大学院行って、ボスキャリで勝負した方がいい」。終わりです。
TJの頭の中では、この一言の裏側に「慶応・留学あり・M&A志望・でも国内外銀は厳しい・ならボスキャリで留学を武器にする方が勝率が高い」という構造が一瞬で組み上がっている。でも全部は言わない。結論だけ出します。

一言で言えるということは、情報の全体像が整理されていて、一番大事なポイントが見えているということ。説明が長い人は、頭の中が整理されていないから全部並べるしかありません。
そしてTJは学生の質問にそのまま答えてもいない。「国内本選考は難しいですか?」に対して「難しいです」とは言わず、「そもそも国内で勝負すること自体が間違い」と問い自体を設定し直している。これが課題設定力です。与えられた問いに答えるのではなく、何を問うべきかを自分で決められる力です。

目の前の問題に飛びつく前に、「そもそもこの問い自体が正しいのか?」と疑えるかどうか。ここが分かれ道です。

解像度の高さ

もう一つ。GSの面接で「日本経済を強くしたい」と言う就活生がいます。
TJなら一瞬でこう返す。「日本経済って何? 強いって何?」
「日本経済を強くしたい」は、一見まともに聞こえる。でもこの言葉の解像度はほぼゼロです。日本経済の何が問題だと思っているのか。強いとはどういう状態なのか。自分はその中のどこに関わりたいのか。全部ぼやけています。

解像度が低い言葉を使った瞬間に、GSの面接官には「この人はこの問題について真剣に考えていない」と透けて見えます。言葉の精度は、思考の深さそのものだからです。

4. 自己投資できる脳:自分の成長にリソースを惜しまない

ここは意外と語られないけれど、非常に重要なポイントです。
GSに入るような人は、自分の成長のためにお金も時間も行動も惜しみません。MBA留学に2,000万円かける。週末を全部面接準備に使う。必要だと思ったらプロの指導に投資する。
これは「お金持ちだから」ではありません。脳の報酬計算の問題です。

人間の脳には「今の1万円」と「将来の10万円」を天秤にかける回路があります。GSに入る人は、将来のリターンに大きな重みをつけられる。「今ここで10万円使えば、将来の年収が500万円変わる」という計算が自然にできる。だから迷わず投資するのです。
この背景にあるのは自己効力感、つまり「自分に投資すれば必ず回収できる」という確信です。自分の能力と可能性を信じているから、リソースを突っ込めます。
逆に、自己効力感が低い人は「今の1万円を失うこと」の方が怖い。将来のリターンよりも目の前の損失に脳が強く反応してしまう。だから投資ができない。

5. 言語の精度:思考の整理度がそのまま出る

GSに受かる人は言葉の使い方が違います。
TJの発言を見てください。一つ一つの文が短い。主語と述語が明確。結論が先に来る。
就活生の方は「まあやっぱり時点、こう、留学経験だけで外資金融に突っ込むのは厳しいっていう感じですよね」。「まあ」「こう」「っていう感じ」が入る。
これは思考がまとまる前に口が動いている状態です。考えながら話しているから、言葉がぼやける。
言葉と思考はつながっています。言いたいことを最短距離で言語化できる人は、考えそのものも整理されている。逆もまたそうで、言葉がぼやけている人は、思考もぼやけているのです。
GSの面接官は最初の30秒で「この人の頭は整理されているかどうか」を判断しています。

6. リーダーシップ:主語が自分になっているか

TJの発言の主語を見てください。常に自分が主語で、場を動かしている。
就活生の主語は?「難しいですか?」「厳しいっていう感じですよね?」。相手に判断を委ねています。
リーダーシップがある人の脳は、「自分がこの状況をコントロールしている」という感覚に心地よさを感じます。
逆に、判断を他者に委ねるクセがある人は、「自分で決める」ことにストレスを感じてしまう。だから無意識に「〜ですよね?」と確認を求める。GSの面接官は、この違いを一瞬で見抜きます。

7. 行動の速さ:「もっと早く来ればよかった」問題

行動が遅い人の脳は、「まだ大丈夫」という誤った安心感を長く出し続けてしまう。留学があるから。テストがあるから。全部、動かない理由です。
GSに入る人は「まだ大丈夫」とは絶対に思わない。常に「遅れている」と感じているから、すぐ動く。
「動くのが遅い」は能力の問題ではなく、脳のクセです。「思いついたら24時間以内に一歩だけ動く」というルールを自分に課すだけで、このクセは変えられます。

8. ビジネスセンス:市場の中の自分が見えているか

ビジネスセンスとは何か。簡単に言えば、自分を市場の中に置いて、「どこで戦えば勝てるか」を判断できる能力です。
就活生の多くは「自分がやりたいこと」は言えるけれど、「自分が市場の中でどこに位置しているか」が見えていない。TJが「海外に行けてるんだから海外の強みを活かした方がいい」と言うのは、この学生を市場の中に置いて、一番有利なポジションを探しているからです。自分目線ではなく市場目線。これがビジネスセンスの正体です。

9. コミュニケーションの質:相手の視点を取れるか

アルファには、とても気持ちのいいコミュニケーションができる人が多いです。
素直に聞く。ちゃんと受け取る。感謝を伝える。これは社会で伸びる人の基本です。学歴や経歴以前の問題です。
一方で、稀に、こういうコミュニケーションをされる方もいます。

「本日中の確認が難しいので、割引期限を延ばしていただけませんか?」
「学生なので親に負担をかけたくなくて、特別に月割りにしていただけませんか?」
「志望動機はもうできているので、面接対策だけ割引でやっていただけませんか?」

一つ一つの気持ちはわかります。
お金の事情は切実だし、本人なりに合理的な提案をしているつもりだと思います。
でもここで起きていることは全部同じで、「自分の事情」だけにフォーカスして、相手の視点が抜けているということです。

同じ条件で申し込んだ他の方はどうなるのか。
一人だけ特別ルールを認めたら、プログラム全体の公正さはどうなるのか。「志望動機はできている」と自分で判断しているけど、本当にそうなのか。そもそもそれを判断するのはプロの仕事です。

こういう方に共通しているのは、自分の視点から一歩も出ていないということ。脳の仕組みで言うと、側頭頭頂接合部(TPJ)という領域が「相手の立場に立って考える」ときに活性化しますが、自分のストレスが高い状態ではこの機能が抑制されることがわかっています。

そして一番伝えたいこと。こういうコミュニケーションのクセは、面接でもそのまま出ます。
面接官の視点が取れない。相手が何を聞きたいかではなく、自分が言いたいことだけを話す。自分の都合のいいように場をコントロールしようとする。面接官はそれを一瞬で見抜きます。
GSに受かる人のコミュニケーションは、常に「相手はこれを聞いてどう感じるか」が計算に入っているのです。

これは個別指導を売っているから、とかそういう問題ではありません。
一次が万事とはまさにその通りで、こういった人は面接でも、その後のキャリアでもずっと同じスタンスです。それは企業もすぐに見抜きます。

10. 「高学歴」の脳の罠:パターン認知は強いが詰めが甘い

最後に、高学歴で賢い、人はたくさんいますが、ゴールドマンの人と何が違うか。重大なポイント。
詰めの甘さです。

日本の高学歴(特に進学塾組)はパターン認知が強いです。
新しい情報が入ったときに「あ、これはあのパターンだ」と直感的に構造を掴むのは得意。でも、最後の10%を詰め切る根気が弱い。「だいたいできた」で満足してしまう。
TJはここが決定的に違います。ゴールドマンのIBDでディールをクローズしてきた人間は、最後の1%まで詰め切る力が鍛え抜かれている。

「だいたいわかった」は、ゴールドマンでは「何もわかっていない」と同じです。私も、比較的このパターン脳です。自分のこの傾向を知っているから、意識的に「最後まで仕上げる」訓練を自分に課しています。自覚していれば変えられる。

2026/04/14 15:29:20
Emi Sakashita
α事務局

11. 脳は変えられる。何歳からでも。

ここまで読んで「自分はダメだ」と思った人もいるかもしれません。大丈夫です。脳は変えられます。何歳からでも。
大人の脳でも神経回路は変わり続けています。使った回路は太くなり、使わなかった回路は細くなる。これを髄鞘化(ミエリン化)と言います。

  • 即断即決が苦手なら、毎日一つ、5秒以内に決める練習をする。
  • 言語がぼやけるなら、「結論→理由→具体例」で話す訓練を毎日やる。
  • 構造で考えられないなら、「一言で言うとなに?」と毎回自分に聞く。
  • 解像度が低いなら、「それ具体的には?」と自分にツッコミを入れる。

全部、脳のトレーニングです。やれば回路が変わる。
アルファ・アドバイザーズの個別指導は、まさにこの「脳の使い方を変える」プログラムです。TJと私が、17年間で8,000名以上の脳の使い方を変えてきた。
ゴールドマンに入りたいなら、まず自分の脳の使い方を知ること。
そして、それを変える訓練を、プロと一緒にやること。それが最短ルートです。


筆者プロフィール
坂下絵美。女子学院→東京大学薬学部→東京大学薬学系研究科(池谷研究室・脳科学/海馬研究)→コロンビア大学教育大学院(臨床心理学)。アルファ・アドバイザーズCOO(2020年〜)。17年間で累計8,000名以上をサポート。実務者として自身も直接指導にあたる。

2026/04/14 15:29:31

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