【モルガン・スタンレー特集】外資投資銀行、モルガン・スタンレーを徹底解説!モルスタと三菱UFJモススタの違いとは?企業概要、特集、就活/転職特集、体験記、アルファの特訓等

(1)モルガン・スタンレーの概要

モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は、アメリカ合衆国に拠点を置く世界的な金融サービス企業です。1935年に設立され、ニューヨーク市に本社を構えています。主な事業内容は、投資銀行業務、資産管理、ウェルスマネジメント、証券取引など多岐にわたり、企業や個人、政府機関に対して金融ソリューションを提供しています。

同社は、特にM&A(合併・買収)アドバイザリーや株式・債券の引受業務で高い評価を受けており、グローバルな金融市場で重要な役割を果たしています。また、近年ではテクノロジーやサステナビリティにも注力し、デジタル化やESG(環境・社会・ガバナンス)関連の取り組みを強化しています。

現時点での従業員数は約82,000人で、フォーチュン500企業にも名を連ねる大手金融機関です。現在のCEOはジェームズ・ゴーマン(James Gorman)で、2024年初頭に退任予定だったものの、後任としてテッド・ピック(Ted Pick)が引き継いでいます。

(2)直近決算(2024年第4四半期および通年)の概要

2024年第4四半期の売上高は162億ドル、通年では618億ドルとなり、いずれも過去最高を記録しました。1株当たり利益(EPS)は第4四半期で2.22ドル、通年で7.95ドルと、15年超ぶりの高水準に達しました。主なセグメント(Institutional Securities、Wealth Management、Investment Management)のいずれも堅調で、特に投資銀行業務と資産管理が成長を牽引しました。

セグメント別:直近3年間(2022〜2024年)の決算概要

1. Institutional Securities(機関投資家向けサービス)

⚫︎概要: 投資銀行業務(M&Aアドバイザリー、IPO引受など)、株式・債券トレーディング、企業融資などを担当。モルガン・スタンレーの収益の柱であり、市場環境に大きく影響される。

⚫︎2022年:
・売上高: 251億ドル
・特徴: 市場のボラティリティや金利上昇の中、固定収入(Fixed Income)の売上が堅調(全体収益の約6%を占める)。しかし、M&A活動の鈍化で投資銀行業務はやや低迷。通年利益は前年比で減少。
⚫︎2023年:
・売上高: 235億ドル
・特徴: 市場回復の兆しはあるものの、地政学的リスクやインフレ懸念が影響。エクイティ(株式)トレーディングが好調で、投資銀行業務も徐々に持ち直し。純利益は91億ドル(全社ベース)。
⚫︎2024年:
・売上高: 281億ドル
・特徴: エクイティと固定収入のトレーディングが過去最高を記録し、投資銀行業務も回復。特にIPO(例: LineageやStandardAero)でのリード引受が貢献。売上は前年比19.6%増。

2. Wealth Management(ウェルスマネジメント)

⚫︎概要: 高所得者向けの資産運用・金融アドバイスを提供。E*TradeやMorgan Stanley Smith Barneyを通じた安定収益が特徴。
⚫︎2022年:
・売上高: 244億ドル
・特徴: 新規純資産流入(Net New Assets)が436億ドルと堅調。手数料ベースの資産残高が拡大し、市場の下落にもかかわらず安定収益を確保。税前利益は66億ドル。
⚫︎2023年:
・売上高: 263億ドル
・特徴: 売上は前年比7.8%増。新規純資産流入は282億ドルと減少したものの、クライアント資産総額は4.9兆ドルに成長。税前利益は77億ドル。
⚫︎2024年:
・売上高: 284億ドル
・特徴: 記録的な売上を達成(前年比8%増)。新規純資産流入は252億ドルで、手数料ベースの流入が1230億ドルと急増。クライアント資産は5.5兆ドルに拡大し、税前利益は大幅増。

3. Investment Management(投資運用)

⚫︎概要: 機関投資家や個人向けの資産運用サービス。Eaton Vance買収(2021年)以降、運用資産(AUM)が急拡大。
⚫︎2022年:
・売上高: 55億ドル
・特徴: AUMは1.4兆ドル。市場の下落で運用資産が圧迫されるも、機関投資家向けの流入が安定。売上は前年比で減少傾向。
⚫︎2023年:
・売上高: 55億ドル
・特徴: AUMは1.5兆ドルに回復。市場回復と流入増で安定化したが、成長は限定的。競争激化で手数料圧力が課題に。
⚫︎2024年:
・売上高: 59億ドル
・特徴: AUMが1.7兆ドルと過去最高に到達(前年比13.3%増)。市場上昇と純流入が寄与し、売上は7.3%増。運用戦略の多様化が成功。

年ごとの総括

⚫︎2022年: 総売上537億ドル、純利益110億ドル。市場の不安定さや金利上昇で成長が鈍化。特にInstitutional Securitiesが苦戦。
⚫︎2023年: 総売上541億ドル、純利益91億ドル。回復基調に入るも、コスト増(FDIC特別査定286百万ドルなど)が利益を圧迫。
⚫︎2024年: 総売上618億ドル、純利益未発表(EPS7.95ドルから推定で増加)。全セグメントで成長、特にWealth ManagementとInstitutional Securitiesが牽引。

(3)日本でのビジネス強化

日本では、1970年の東京事務所開設以来、50年以上の歴史を持ち、2010年に三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)との合弁会社「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」を設立。これを基盤に以下の分野でビジネスを強化しています:

1. 投資銀行業務の拡大

⚫︎M&Aと資本市場: 日本企業のグローバル展開や国内再編が活発化する中、M&AアドバイザリーやIPO引受でシェア拡大を目指す。2024年にはLineageやStandardAeroのIPOでリード引受を務め、実績を積み上げ。
⚫︎戦略的提携: MUFGとの協業を強化し、日本企業への資金調達支援やクロスボーダー取引を加速。特に、2025年は米国の政策不透明性(関税リスクなど)を受け、日本企業のアジア進出支援に注力。

2. ウェルスマネジメントの浸透

⚫︎富裕層向けサービス: 日本では高齢化と資産継承ニーズが高まる中、個人富裕層向けの資産運用を強化。E*Tradeのデジタルプラットフォームを活用し、若年層へのアプローチも開始。
⚫︎NISA活用: 2024年に拡充された日本のNISA(少額投資非課税制度)を背景に、投資商品の提供を拡大。2025年は「貯蓄から投資へ」の流れを捉え、株式やETFの販売を強化。

3. テクノロジー投資

⚫︎デジタル化: AIやデータ分析を活用したトレーディングやリスク管理を日本でも推進。2025年は「エージェントAI」(自律型AI)の導入を検討し、業務効率化を加速。
⚫︎インフラ支援: 日本拠点の技術部門を拡充し、アジア太平洋地域のハブとしての役割を強化。

これからの成長分野の見解

モルガン・スタンレーは、2025年以降の成長分野をグローバルおよび日本特有の視点で以下のように捉えています:

1. AIとテクノロジー

⚫︎グローバルトレンド: 「Investment Themes 2025」レポートで強調される「エージェントAI」の進化を成長エンジンと位置づけ。自動運転やヘルスケア支援での応用を見込む。
⚫︎日本での展開: 日本の高齢化や労働力不足を背景に、ロボティクスやAIを活用した生産性向上ソリューションを重視。企業向けAIコンサルティングや投資商品化を計画。

2. ヘルスケアと長寿(Longevity)

⚫︎グローバル視点: 高齢化社会での「健康寿命」延伸がテーマ。医薬品(例: スマート化学療法)やAI創薬への投資を拡大。
⚫︎日本特化: 世界一の超高齢社会である日本で、ヘルスケア関連の資産運用商品や年金運用支援を成長分野と見る。2025年は健康食品や介護関連企業への投資も注目。

3. エネルギーの未来

⚫︎グローバル戦略: 脱炭素化に加え、エネルギー供給・需要の変動対応が焦点。再生可能エネルギーや次世代エネルギー技術に注力。
⚫︎日本での機会: 日本のエネルギー政策(2030年目標)と連動し、洋上風力や水素関連プロジェクトへの融資・投資を拡大。2024年の環境契約が示すように、企業のサステナビリティ支援が鍵。

4. グローバル経済の再編

⚫︎マクロ環境: 米国の関税政策や地政学リスクを受け、グローバルサプライチェーンの再構築が進む中、日本企業のアウトソーシング支援や新市場開拓を強化。
⚫︎日本市場: 国内消費の回復(賃上げやインフレ鎮静化)を前提に、金融・銀行セクターの成長を見込む。特に、銀行のROE改善(2025年に10%近くへ上昇予測)が投資機会に。

日本での具体的な取り組みと展望

⚫︎MUFGとのシナジー: 合弁を通じて、日本の機関投資家や個人投資家へのアクセスを拡大。2025年はMUFGの顧客基盤を活用したウェルスマネジメント商品の共同開発が進む見込み。
⚫︎スタートアップ支援: JIVLを通じた投資に加え、フィンテックやヘルステック分野での協業を模索。日本発ユニコーン企業の輩出を後押し。
⚫︎市場予測: 「Investment Outlook 2025」では、日本株式が米国とともに「オーバーウェイト」と評価。緩やかな成長とインフレ低下が追い風となり、特に金融株や技術株が有望視される。

モルガン・スタンレーMUFG証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の違い

1. モルガン・スタンレーMUFG証券(Morgan Stanley MUFG Securities Co., Ltd.)

⚫︎概要: モルガン・スタンレーが過半数を所有する日本法人で、主に機関投資家向けのビジネスを担当。
⚫︎設立: 2008年に設立(当初はモルガン・スタンレー証券)。2010年にMUFGとの戦略的提携の一環で現在の形に。
⚫︎役割: グローバルな投資銀行業務(M&Aアドバイザリー、債券・株式引受、トレーディング)に特化。海外市場との連携が強く、モルガン・スタンレーの国際ネットワークを活用。
⚫︎ターゲット: 主に機関投資家や大企業で、個人向けサービスは提供しない。
⚫︎資本構成: モルガン・スタンレーが51%、MUFGが49%を出資。

2. 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd.)

⚫︎概要: MUFGが主導する合弁会社で、個人投資家や中小企業を含む幅広い顧客向けにサービスを提供。
⚫︎設立: 2010年にMUFGの子会社である三菱UFJ証券とモルガン・スタンレーの日本法人一部を統合して設立。
⚫︎役割: 国内のリテール(個人向け)証券業務や企業向けの資金調達支援が中心。投資信託販売やウェルスマネジメントに強みを持ち、MUFGの顧客基盤を活用。
⚫︎ターゲット: 個人投資家から大企業まで幅広く対応。特に日本の富裕層や地域企業に注力。
⚫︎資本構成: MUFGが60%、モルガン・スタンレーが40%を出資。

両社は2010年の戦略的提携で役割分担を明確化。モルガン・スタンレーMUFG証券はグローバルな専門性を、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は国内市場での浸透力を担っています。

簡単に言えば、モルガン・スタンレーMUFG証券は「グローバルな投資銀行」、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は「日本の総合証券」と捉えると分かりやすいです!

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2025/08/14 07:41:24

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