夜中に転職サイトを開くあなたへ。「焦り」で動くとキャリアが詰む、脳科学的な理由

Emi Sakashita
α事務局

夜中に転職サイトを開くあなたへ。「焦り」で動くとキャリアが詰む、脳科学的な理由

アルファアドバイザーズ ブレイン・ラボ|えみ

「このまま今の会社にいていいんだろうか」
「同期がどんどん出世していく。あの子はもう転職して年収を上げたらしい」
「30歳が見えてきた。何かスキルをつけなきゃ、置いていかれる」

夜な夜な転職サイトをスクロールしたり、休日のたびにビジネス書や資格の勉強に手を伸ばしたりしていませんか?

私は東京大学薬学系研究科(池谷研究室)で海馬の神経回路を研究し、コロンビア大学大学院で臨床心理学を学んできました。今はその知見をベースに、20代・30代のキャリア相談に乗っています。

今日は、相談に来られる方にまず最初にお伝えしている話から始めさせてください。

その行動、「希望」ですか?「不安」ですか?

「なぜ転職を考えているんですか?」と聞くと、ほとんどの方はこう答えます。「成長したいから」「キャリアアップしたいから」と。

でも少し話を聞いていくと、本当のエンジンが見えてきます。「市場価値が落ちるのが怖い」「年齢的に後がない」「同期に置いていかれたくない」。これは希望ではなく、不安です。

不安に突き動かされている瞬間、あなたは「人生で最も判断力が落ちた状態」で、人生で最も大事な選択をしようとしています。

不安モードの脳で何が起きているのか

不安や恐怖を感じているとき、脳の奥にある扁桃体が警報を鳴らし続けます。するとストレスホルモンのコルチゾールが慢性的に分泌され、長期戦略や合理的な判断をつかさどる前頭前皮質の働きが大きく落ちます。

これは進化の観点からは正しい反応です。サバンナでライオンに追われているとき、悠長に「私の3年後のキャリアプランは…」と考えている人は食べられてしまいますから。脳は「とにかく今すぐ目の前から逃げる」回路を優先的に起動します。

問題は、現代の私たちが「ライオン」に追われていないことです。追われているのはSNSに映る同期の姿であり、LinkedInに並ぶ知人の肩書きであり、「年齢」という抽象的な数字です。それなのに脳は、本物のライオンに襲われているのと同じ反応をしてしまう。

実際こういう話を本当によく聞きます。焦って「今より少しマシなだけ」の会社に転職し、半年でまた辞めたくなった。とりあえず役に立ちそうだから、と高額講座や資格に時間とお金を溶かした。不安で動いた先に待っていたのは、結局「もっと大きな不安」だった。

不安は「起動装置」にはなる。でも「メインエンジン」にしてはいけない

誤解しないでいただきたいのですが、不安そのものが悪いわけではありません。「今のままじゃまずいかも」という感覚は、脳が「現在地は最適ではない」と正しく検知しているサインです。それすら感じなくなった状態の方がずっと危険です。

だから、不安を最初のきっかけ=起動装置として使うのは大いにアリです。問題は、そのまま不安をメインエンジンに据えて走り続けてしまうこと。

どこかで必ず、エンジンを載せ替えなければなりません。「逃げたい・失敗したくない」から、「これを実現したい・これに挑みたい」へ。

この載せ替えができるかどうか。20代・30代で突き抜けていく方とそうでない方を分けるのは、才能でもスペックでもなく、ここだと私は見てきました。

「やりたいこと」で動く脳は、なぜ疲れないのか

前頭前皮質が主導する「ミッション駆動」のモードに入ると、困難な状況でもドーパミンが安定的に分泌されます。同じ量の残業をしても、同じ量の勉強をしても、心が折れにくくむしろエネルギーが湧いてくる——これは精神論ではなく、脳内の化学反応として説明できる現象です。

一方、不安駆動で走っている方は、コルチゾールが出続けている状態。どれだけ頑張っても「満たされた」という感覚に到達できないため、ある日突然プツッとガス欠を起こします。これがいわゆるバーンアウト(燃え尽き症候群)の正体です。

もうひとつ、私がよくお伝えすることがあります。「もう無理」「向いていない」という感覚が最も強くなるのは、実はブレイクスルーの直前であることが多い。脳の神経回路は、閾値を超えた瞬間に一気につながります。その直前が一番苦しい。その苦しさを「終わりだ」と読むか「もうすぐだ」と読むかで、結果がまるで変わります。

2026/04/08 13:32:44
Emi Sakashita
α事務局

「やりたいことなんて、自分にはない」というあなたへ

不安エンジンで走り続けている脳は、いわば「生存モード」に入っています。生き延びることに全リソースを使っているので、「自分が本当に何を望んでいるのか」を内省するための余力が物理的に残っていないのです。

「やりたいことがない」のは、あなたに深みがないからではありません。脳がそれを認知できる状態にないだけです。

評価・年収・他人の目線——そういったノイズを一度きちんと外してあげると、誰の中にも必ず「夢中になれる種」が眠っています。私はこれまで多くの方の相談に乗ってきましたが、例外を見たことがありません。

ただし、それを掘り起こす作業は一人ではとても難しい。なぜなら、不安ベースの思考は自動的に立ち上がるからです。「自分はちゃんとロジカルに考えている」と信じている優秀な方ほど、その奥に無意識の恐怖が貼りついていることに気づけません。自分の脳の状態を、自分の脳だけで客観視する——これには構造的な限界があるのです。

「キャリア戦略」と「脳の再設計」、両輪で初めて動き出す

だからこそ、外部の視点が必要だと私は考えています。ビジネスの最前線で培われてきた実践的なキャリア戦略と、脳科学・臨床心理学に基づいたメンタルと思考回路の再設計。このどちらか片方だけでは、本当の意味でのキャリアの好転は起こりません。
アルファアドバイザーズ ブレイン・ラボでは、私えみが脳科学・臨床心理学の知見から、代表のTJがグローバルキャリアの現場感覚から、お一人おひとりの状態を立体的に見させていただいています。

最後に:脳は、何歳からでも書き換えられる

20代・30代という、人生でもっとも可塑性の高い時期。ここを「不安の燃料」で走り抜けてしまうのは、本当にもったいないことです。

脳は大人になってからでも回路を書き換えることができます。神経科学の世界では「神経可塑性(ニューロプラスティシティ)」と呼ばれ、近年もっとも研究が進んでいる領域のひとつです。今のあなたが「不安駆動型」だったとしても、それは固定された性格でも才能でもない。意識的なトレーニングと適切な環境設計で、必ず書き換えられます。

今あなたが感じている「このままじゃまずい」というサイン。それをまた次の不安の燃料にして、勢いで求人に応募してしまうのか。それとも、ここを本当の「転換点」にするのか。選ぶのはあなた自身です。

でも、一人で抱え込む必要はありません。 よければ一度、立ち止まってお話を聞かせてください!
ご相談はこちらから!>https://www.alpha-academy.com/


坂下絵美 / アルファアドバイザーズ ブレイン・ラボ
女子学院→東京大学薬学系研究科(池谷研究室・海馬・歯状回研究)→コロンビア大学教育大学院(臨床心理学)。アルファアドバイザーズCOO(2020年〜)。累計8,000名以上サポート。

2026/04/08 13:33:25

今すぐ登録。続きを見よう!(無料)

今すぐ登録(無料)!

ブレインラボのプログラムをお気に入りしましょう。