AI時代、MBAはまだ投資に値するのか?500人が集まったINSEAD、Yale、UC Berkeley、NUS等MBAフェアで、私が確信したこと

Emi Sakashita
α事務局

皆さん、こんにちは。アルファ・アドバイザーズCOOの坂下絵美です。女子学院から東京大学薬学部、同大学院薬学系研究科で脳科学(海馬の神経回路)を研究し、コロンビア大学教育大学院で臨床心理学を研究しました。

現在はアルファ・アドバイザーズで、皆さんのキャリア戦略・転職・受験を統括しています。

先日、インターコンチネンタルホテルで開かれたMBAフェアに参加してきました。GMAT運営元(GMAC)主催の大きなイベントで、登録者は約500人。INSEAD、Yale、UC Berkeley、そしてシンガポールのSMUやNUSなど、アメリカ・欧州・アジアのトップスクールが一堂に会しました。

夕方から夜まで、私は本当にたくさんの方とお話ししました。代表の入住(TJ)も「MBA Still Worth the Investment? AI時代に、MBAはまだ投資に値するのか」というテーマで講演し、大きな反響がありました。

今日は、そこで私が久しぶりに大勢の方と本音で話して見えてきたこと、そして18年以上・8万人超のキャリア支援を通じて確信していることを、包み隠さずお伝えします。キャリアの本音は、上司にも同僚にも相談しづらいものですから。


結論を先に — 差をつけるのは「能力」ではありません

500人と向き合って、改めて確信したことがあります。

キャリアで差がつくのは、能力ではない。

皆さん、能力は十分に高い。経営を知らなければ学べばいい。ファイナンスを知らなければ学べばいい。世界中で毎年何十万人もがMBAで学んでいるのですから、「能力がないから届かない」ということは、ほとんどありません。

では、何が明暗を分けるのか。

長期ゴールがあるか。そして、行動できるか。 この二つです。

そして脳科学の視点から言えば、この二つは、脳のどこがハンドルを握っているかの問題でもあります。今日は、その話までお伝えします。


ビジネスパーソンの共通の弱点は、「長期ゴールが決まっていない」こと

少し強い言い方になりますが、この日お話しした多くの方に、共通の弱点がありました。

長期ゴールが、決まっていない。

悩みの相談を受けていて、その根っこをたどると、たいてい同じ場所に行き着きます。「このままでいいのだろうか」「新卒で入った会社でそれなりに評価もされている。仕事も嫌いじゃない。でも、これは本当にやりたかったことなのか」。

この霧が晴れないのは、能力の問題ではありません。10年後にどこへ立ちたいのか、という座標が決まっていないからです。

座標がないから、30歳の節目で立ち止まる。座標がないから、MBAも「とりあえずトップスクール」になる。座標がないから、転職すべきかどうかも判断できない。

逆に、長期ゴールが決まると、答えは一気に見えてきます。転職すべきか。どの年収帯を狙うのか。MBAなのか、それとも金融工学(マスター・オブ・ファイナンス)なのか。社費か、私費か。いつ動くべきか。今の仕事でもう少し経験を積むべきか、一刻も早く動くべきか。

すべては、「」と「長期ゴール」を結ぶ方程式です。ゴールが決まれば、打ち手は逆算で導かれる。ゴールがないから、何でもかんでも「あり」に見えて、動けなくなるのです。

2026/08/02 14:28:56
Emi Sakashita
α事務局

キャリアに悩む人たちは、こんな姿をしていました

この日、私がお話しした方々を、いくつかのパターンでご紹介します。ご自身に重なるものが、きっとあるはずです。

目的地がないまま、手段だけを探している人。 MBAに行けるか、合格できるか——手段のところで思考が止まってしまう。そもそも「何のために行くのか」が最初に来ていない。

30代の節目で、ふと立ち止まった人。 「30歳にもなったので、少し考えてみました」。キャリア戦略上、30歳を境にMBAや転職が難しくなるという事実はありません。それでも、多くの方が節目で一度立ち止まる。この立ち止まりは、悪いことではありません。

天井が見えてきたミドルキャリアの人。 30代後半から40代。今の延長線上に不安を感じ、「最後の挑戦をここでしたい」と考える方が、思った以上に多くいました。

AIに、漠然とした不安を抱える人。 これは後で詳しくお話しします。

着実にキャリアを積みたい女性。 この日お話しした半分以上が女性でした。非常に合理的で、着実にステップアップしたいという方が多い。同時に、ライフイベントとキャリアのバランスに悩む声もありました。

第二新卒。 1〜3年目で相談に来る方が、最近とても増えています。流動性が高い世代で、ポテンシャル採用で金融に移ったり、マスター・オブ・ファイナンスやマネジメント修士に進んだり、選択肢が実は豊富です。


転職の「限界」——なぜ、横移動しかできないのか

この日、最も多かった相談が、これでした。

転職しようと動いているのに、横移動にしかならない」。

条件のいいオファーは来る。でも、似たような職種への平行移動で終わってしまう。これでは、今の不安は解消されません。

理由は、構造にあります。中途採用とは、基本的に「即戦力=経験者採用」です。だから、どうしても同じ職種の中での移動になりやすい。職種を変えたい、階層を上げたい、と思っても、経験の延長線上でしか声がかからないのです。

では、転職すべきか、やめるべきか。基準は一つです。

長期ゴールから逆算して、それが近道になっているか。

「長期ゴールなんてなくても、優秀で英語ができてスキルがあれば転職できる」と思う方もいるでしょう。実際、できます。でも、あらゆる職種・年代・学歴の人を、代表の入住と同時に何千人も見てきた立場から申し上げると、長期ゴールがない人は、必ずどこかで詰まります。

M7と呼ばれるトップMBAを出て、金融やコンサルの経歴を持つ優秀な人でさえ、軸がブレていると、上位職や経営層の椅子に手が届かない。コミットした一本の軸がないからです。

これは、以前の記事でもお伝えした話とつながります。ゴールから逆算した人の職務経歴書は「一本の線」になり、そうでない人の経歴書は「点の集まり」になる。採用側は、その違いを一瞬で見抜きます。


MBAは「どこでもいい」時代の、終わり

MBAフェアだけあって、留学を具体的に考えている方が大勢いました。そこで痛感したのは、「ランキング上位ならどこでもいい」という時代は、完全に終わったということです。

皆さん、非常に合理的でした。「MBAに行っても、その後の就職が厳しいと聞く」。だからこそ、出口から逆算して学校を考える。この視点は、正しい。

一方で、気になったことが二つあります。

一つ、学校選びの認識が、10年前で止まっている方が多い。 世の中に出ている情報は、SNSにせよ記事にせよ、誰かの意図が入ります。宣伝的な要素も混じる。私たちは、今年MBAや金融工学を修了した人の就職を、毎年リアルタイムで最前線から見ています。その現場感覚と、世間の情報には、確かなズレがあります。

二つ、ランキングだけで選ぶと、投資回収に失敗する。 ランキングは媒体ごとに尺度が違い、プロモーション的な要素が入るものもあります。序列や偏差値が効くのは、実は国内の新卒就活くらいです。多くの日本人がその経験を持つので、つい同じ物差しをMBAに持ち込んでしまう。でも、MBAの世界は違います。

今、就職に強いのは、エッジが立った学校です。ファイナンスならWharton、Chicago、Columbia。アメリカでの就職に思いのほか強い学校もあります。大切なのは、ロケーション、生徒の質やバックグラウンド、そして何より実際の就職先。「マーケティングが強いからこの学校」と一軸で選ぶと、行きたかったキャリアに届かず、「こんなはずじゃなかった」となりかねません。

最もやってはいけないのは、優秀な方ほどやりがちな「とにかくランキング上位だけ受ける」です。どこかには受かる。でも、卒業後の進路がブレる。本当はアメリカでベンチャーキャピタルに行きたかったのに、コンサルに落ち着いた——そういう例を、私は何度も見てきました。


準備をめぐる「誤解」を、すべて解いておきます

MBAを考えている方ほど、準備について多くの誤解を抱えていました。この日いただいた質問に、まとめてお答えします。

年齢の限界は、ありません。 「31歳だけど遅くないか」とよく聞かれます。結論、何歳でも行けます。AIに聞くと「25〜28歳が出願のピーク」と返ってきますが、それはAIが海外の一般論を学習しているからです。日本人に限れば、20代後半から30代半ばが、むしろボリュームゾーン。アメリカの2年制に受かり、その後ゴールドマンや外資金融、マッキンゼーやBCG、事業会社の幹部候補トラック、アメリカでのテック就職へと、しっかりキャリアチェンジしています。30代後半以降なら、ミドルキャリア向けMBA(Stanford、MIT Sloan、USC、LBS Sloanなど)や、働きながら通うエグゼクティブMBA(Chicago、Wharton、NUS、UCLAなど)という選択肢もあります。

準備期間は、1年以内で十分です。 「2年くらいかかる」というのも、10年前の感覚です。長く引っ張るほど、途中で嫌になったり、チャンスを逃したりする。アルファでは、1年以内に受からない人はいません。TOEFL・IELTS・GMAT・GREを心配される方も多いですが、半年あれば仕上がります。GMATはFocus Editionになって以前より短く・出題も絞られ、学校によってはさらに短いExecutive Assessmentで受けられるところも増えました。テストスコアが良いだけで合格することはないので、必要点を押さえたら、エッセイやレジュメを並行して進めます。

コンサル・金融・IT以外でも、まったく問題ありません。 メーカーのマーケティングや人事、研究職、製薬、インフラ、公務員、医療——どの業界からでも行けます。学校の資料に「コンサル出身40%、金融30%」と書いてあると身構えてしまいますが、むしろユニークな経歴のほうが、多様性を重んじるMBAでは強みになる。決め手は業界ではなく、ストーリーです。なぜ最初のキャリアをそこで積み、なぜMBAに行きたいのか、将来何をしたいのか、なぜその学校なのか。この一本の線が、何より問われます。

私費でも、社費でも、道はあります。 社費留学は社内調整や申請書類、面接対応まで含めて支援します。代表の入住も私費でMBAに行った経験があるので、その勘所も含めてお伝えできます。

現地就職も、思うほど非現実的ではありません。 アメリカの就労ビザ(H-1B)は制度変更が続いていますが、修士号の保有や高い賃金水準が抽選で有利に働く方向にある、と私たちは見ています(最新の適用条件はその都度の確認が必要です)。専門性の高い学位で、賃金水準の高いポジションを取りにいく。これが、現地に残る一つの現実的な戦略です。アメリカで就職したいという方は、進路が実際に決まっているケースも少なくありません。


AIへの不安の、正体

この日、AIへの不安は二つの形で語られました。

一つは、今の仕事への不安。マーケティングや会計系では、以前は外注していたデザインなどの一部業務が「もうAIでできる」となりつつある。自分の仕事も、遠からずそうなるのでは——という肌感覚です。

もう一つは、「では、どうすればいいのか」。AI時代にMBAは価値があるのか、という問い。TJの講演テーマも、まさにここでした。

私の答えはこうです。AIが一部の作業を代替するからこそ、専門性の高さ、グローバルへの対応力、そして人間性の価値が、むしろ上がります。

人間性、と申し上げたのには理由があります。この日お話しして、改めて感じたのですが、アルファに来てくださる方は、本当に素直で、可能性を広げようと前を向いている方が多い。どれだけ優秀で経歴が良くても、「この人とずっと一緒に働くのはしんどい」と思われる人はいます。それは転職の面接でも必ず伝わる。AIが台頭する時代だからこそ、「この人と頑張りたい」と思われるコミットメントや素直さが、決定的に効いてくるのです。


なぜ、同じMBAでも成功する人と詰まる人がいるのか — 脳の話

ここからが、脳科学者としての私の本題です。

アルファを見ていても、MBAに行けば全員が思い描いたキャリアに届く、というわけではありません。成功する人もいれば、どこかで詰まる人もいる。何が違うのか。突き詰めると、なんです。

自分を過信してしまう。人の言うことを聞けない。逆に、いろいろなことに流されやすい。どうしても自信が持てない。こうした「脳の癖」を克服しないと、どれだけハードスキルで武装しても、どこかで頭打ちになる。本来はやる気があって、毎日必死に頑張っているのに、うまくいかない。これほどもったいないことはありません。

脳科学の視点で申し上げます。私たちの判断は、二つの部位のせめぎ合いで決まっています。長期のゴールを描き、そこから逆算して今日を選ぶのは、司令塔である前頭前野の働き。一方、変化やリスクを前に「やめておけ」と警告を出すのは、危険を察知する扁桃体です。長期ゴールが曖昧なままだと、脳は扁桃体に運転を任せ、現状維持に流れていきます。

だからこそ、この日のキーワードは「行動」でした。仕事帰りで疲れて、雨も降っていて、面倒くさい。それでもフェアに足を運んだ方々がいた。ここで動くか動かないかは、実は脳にとって大きな意味を持ちます。人は行動するたびに、「自分は動ける人間だ」と脳が学習していく。やる気を生むドーパミンは、この学習を後押しします。逆に、動かない選択を重ねるほど、「自分は動けない」という回路が太くなる。

そして——脳は、何歳からでも組み替えられます。 使う回路は太くなり、使わない回路は細くなる。これが神経可塑性です。大人の脳でも、記憶を司る海馬では新しい神経細胞が生まれ続けることが分かっています。

私が東大やコロンビアで脳科学と心理学を研究してきた知見を、プログラムに落とし込んだのが、アルファの脳改革です。これを受けた方は、驚くほどポジティブになり、コミュニケーションが変わり、証券会社やPEファンドへの転職に成功する方も出ています。ハードスキルを、脳という土台の上に載せる。順番はこちらなのです。

2026/08/02 14:29:10
Emi Sakashita
α事務局

アルファは、MBA予備校ではありません

最後に、私たちのスタンスをお伝えします。

アルファは、MBAカウンセラーでも、留学屋さんでもありません。ベースにあるのは、あくまでキャリア戦略です。MBAは、その一つの手段にすぎません。だから、海外大学卒や外資IBD出身の方なら、MBAに行かずに第二新卒で外資金融へ、という道もある。手段は、人によって違います。

転職エージェントとの違いも、ここにあります。エージェントは多くの案件を持っていますが、どうしても利益目線のアドバイスになりがちです。私たちのサポート対象は、企業ではなく、皆さんです。 だから時に、エージェントとは逆のことを申し上げる。皆さんにとって本当に良い助言を、中長期の視点で差し上げるためです。

そして、長期ゴールが明確になり、実力と方向性が揃った方には、代表の入住も私も、自分たちの名前で企業にレコメンド(推薦)します。人と企業がwin-winになるときにだけ、私たちは推薦します。

MBAを単なる目的にすると、「思ったほどの効果が得られなかった」という声が出ます。でもそれは、MBAに価値がないのではなく、戦略と準備が足りなかっただけ。まずはキャリア戦略から。その結果がMBAなら行けばいいし、転職と大学院受験を同時に進める「両睨み」も、どちらに転んでも良い道が見えるので、おすすめです。

差をつけるのは、能力ではありません。長期ゴールと、行動と、それを支える脳。それは、何歳からでも変えられます。

思い立った今日が、動くタイミングです。まずは長期ゴールを言語化するところから、一緒に始めませんか。アルファの無料相談で、「今こんなことで悩んでいる」「今年MBAを考えている」「転職先を相談したい」——そう書いて送っていただくだけで大丈夫です。

今すぐアルファに相談だ。

アルファ・アドバイザーズ | http://www.alpha-academy.com/

2026/08/02 14:29:15

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