【高2・IELTS6.0からの突破口】塾の宿題に潰されずに、国内受験と海外大を両立する「基礎の組み直し方」

Emi Sakashita
α事務局

【高2・IELTS6.0からの突破口】塾の宿題に潰されずに、国内受験と海外大を両立する「基礎の組み直し方」

アルファジーニアスの坂下です。

今日は「塾には行っているけれど、IELTSが6.0で止まっている。国内受験の勉強も並行していて、宿題に追いつけない」という高2の相談を取り上げます。昨日のIELTS記事に続いて、今日は両立組の高校生に向けた回答です。

結論から言います。いまのあなたに必要なのは、新しい問題集でも、追加の英会話でもありません。「捨てる順番」と「基礎の組み直し」です。 これを高2のうちにやれるかどうかで、高3の春に両立が崩壊するか、両方ラインに乗るかが決まります。


【相談】

> 高2です。日本の中堅校に通っていて、塾に入って国内の大学受験と海外大学の併願を進めています。IELTSは何度か受けて最高6.0で止まっています。英語自体は嫌いではないのですが、点数が伸びません。基礎ができていない自覚はあります。でも塾の宿題に追いつけず、数学も筆記でやっていて全部が中途半端です。このままで両立できるのか不安です。


【回答】

率直に言いますね。

いまのあなたが伸びないのは、能力の問題ではなく「脳の仕組みに逆らった順番で勉強しているから」です。

基礎が抜けている自覚があるのに、塾は問題演習で前に進ませようとする。あなたは追いつくために手を動かす。でも、土台が抜けたまま新しい情報を積んでも、脳の海馬という記憶を司る部位は、その情報を長期記憶に固定化できません。例えるなら、地盤が緩いまま2階・3階を建てているような状態です。毎日勉強しているのに点数が動かないのは、当たり前なんです。

「英語が嫌いではないのに伸びない」も、ここで説明がつきます。嫌いではないから真面目にやる。真面目にやっているのに結果が出ないから、自分の頭を疑い始める。これが一番危険です。自分の能力ではなく、入力の順番を疑ってください。


まず自分でチェック|以下に3つ以上当てはまったら「基礎欠損型」です

  • IELTSの問題集を解いても、間違えた問題を解き直すと同じ箇所でまた間違える
  • リーディングで知らない単語が1パラグラフに5個以上ある
  • ライティングを書くとき、中学レベルの構文(関係代名詞・現在完了・受動態)で迷う瞬間がある
  • リスニングは「単語が聞き取れない」のか「聞き取れても意味が追えない」のかが自分で分からない
  • 塾の宿題は終わらせているが、終わらせること自体が目的になっている

3つ以上当てはまったら、いま必要なのは追加の演習ではなく、中3〜高1レベルまで一度戻って、抜けている土台を3ヶ月で詰め直す作業です。プライドが邪魔するかもしれませんが、ここを認められる子だけが、高3で抜けます。


なぜ「塾の宿題に追われている状態」が一番マズいのか

ここは脳科学の話です。

人の脳は、「情報をたくさん入れる」よりも「入れた情報を寝ている間に整理する」ことで賢くなります。これを記憶の固定化(consolidation)と言います。睡眠不足で宿題を片付けても、その情報は翌朝にはほぼ消えています。

しかも、追われている状態が続くと、扁桃体という不安を司る部位が暴走して、前頭前皮質という「優先順位を決める部位」の働きが落ちます。つまり、追われれば追われるほど、「何を捨てるべきか」が判断できなくなる。これがいまのあなたの状態です。

だから、追加で頑張る前に、引き算をしてください。


高3の春に破綻する典型パターン|いま動かないとこうなります

私はアルファで18年、累計8万名以上の進路・キャリア相談を見てきました。高2で「塾の宿題が追いつかない、IELTSが伸びない、でも国内受験もやっている」という状態を放置すると、高3の春に必ず同じ崩れ方をします。

  • 高3になって演習量が倍になる
  • 基礎の抜けが演習で誤魔化せなくなる
  • IELTSは6.0〜6.5を行ったり来たりして頭打ち
  • 共通テスト模試で英語の点数が安定しない
  • 数学に時間が取られて、英語の優先順位が下がる
  • 夏前に「海外大を諦めて国内一本に絞る」決断を迫られる
  • 結果、国内も第一志望は届かず、海外大の選択肢も消える

これは脅しではなく、構造的にこうなります。高2のいま、土台を組み直す3ヶ月を取るかどうかが、その分岐点です。


いまから3ヶ月でやる「3つの順番」

順番が大事です。逆にしないでください。

① 塾の宿題に「捨てる優先順位」を作る

全部やろうとしないでください。優先順位はこうです。

  1. 数学(筆記国内受験用)→ これは積み上げ科目なので落とせない
  2. 英語の基礎(中3〜高1の文法と単語の穴埋め)
  3. IELTSの問題演習

3を一旦止めて、2をやってください。「塾の宿題を全部終わらせること」を目的化するのをやめる。塾の先生に「3ヶ月、IELTSの問題演習は減らして基礎に戻りたい」と相談してください。良い塾なら、ここで止めません。止める塾なら、見直す価値があります。

② IELTSは4技能の基礎は同時に。演習は小分けに。理解が不足のまま同時並行はNG!

伸び悩む高校生の9割は、4技能を毎日少しずつやって、どれも中途半端に終わっています。脳は分散学習よりも、1技能に集中する時期と、複数技能を統合する時期を分けるほうが、固定化効率が上がります。

1ヶ月目:基礎はリーディング集中(=単語と文法の総点検になるので、ここから入る)ーそもそも単語が不十分(ー完璧でない)場合そこから!!
2ヶ月目:基礎はリスニング集中(リーディングで覚えた単語が音で聞き分けられるか確認:また聞ける耳と口を育てるアルファ特訓もリスニング急上昇効果あり)
3ヶ月目:日本人で伸びにく方特に:ライティング+スピーキング統合(インプットで蓄えた表現を出力に回す)

これで6.0の壁が動き始めます。

③ 基礎は「中3〜高1まで戻る勇気」が決定打

高2が一番嫌がるのがこれです。「いまさら中3に戻るの?」と思う。でも、IELTS6.0で止まっている英語力の正体は、ほぼ確実に中3〜高1の文法・単語が穴だらけです。ここを1ヶ月で総ざらいするだけで、6.0から6.5、7.0が見えてきます。プライドは捨ててください。捨てられる子から伸びます。

2026/05/27 15:20:39
Emi Sakashita
α事務局

「AI英会話でいいのでは」「他の塾でいいのでは」「親に言いづらい」...よくある疑問

「AI英会話アプリで毎日話せば伸びるんじゃないですか?」
→ スピーキングは出力の練習ですが、出すものがない人がいくら出力してもスコアは伸びません。基礎欠損型の高校生がAIアプリだけでIELTS6.0を超えた例を、私は18年で一度も見ていません。土台ができてから、ようやくAIは補助になります。

「いまの塾でいいのでは?」
→ 塾を変えろとは言いません。ただ、いまの塾が「あなたの基礎欠損を診断して、3ヶ月のカリキュラムを組み直してくれる」のかは、確認してください。多くの塾は「全員に同じ宿題を出す」設計です。それでは両立組の高校生は救えません。

「親に塾を減らしたいと言いづらい」
→ 親が見ているのは「結果」です。「IELTSスコアが3ヶ月後に上がっているか」を約束できる組み直し方を持って話せば、親は止めません。逆に、いまのまま「頑張ります」と言い続けるほうが、半年後に説明できなくなります。


私がアルファでやっていること

私は東京大学薬学部で脳科学(海馬・歯状回研究)、コロンビア大学教育大学院で臨床心理学を学び、いまアルファ・アドバイザーズで18年の進路・キャリア指導の知見と統合して、両立組の高校生のカリキュラム再設計をしています。

国内受験と海外大の併願は、根性論ではなく「脳の仕組みに合った順番で、捨てるものを決める」戦略勝負です。IELTS特訓と個別指導では、まず基礎欠損のどこに穴があるかを診断して、3ヶ月で組み直す処方箋を出します。塾の宿題を全部こなしながら、それに上乗せして頑張るプログラムではありません。むしろ引き算を一緒にやります。

両立で潰れかけている高2のあなたへ。高3の春に破綻する前に、いま順番を組み直してください。それだけで、見える景色が変わります。

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坂下絵美。女子学院→東京大学薬学部→東京大学薬学系研究科(池谷研究室・脳科学/海馬研究)→コロンビア大学教育大学院(臨床心理学)。アルファ・アドバイザーズCOO(2020年〜)。アルファは18年間で累計8万名以上の進路・キャリア・メンタルサポートを実施。脳科学とアルファの18年の知見を統合し、国内受験と海外大学を両立する高校生向けの個別カリキュラム設計を行っています。

2026/05/27 15:21:34

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